ラスベガス発国立公園&グランドサークルツアー
レイクパウエル
Lake Powell
🔸アリゾナ州
🔸グレンキャニオン国立保養区
Glen Canyon National Recreation Area since 1972
ワーウィープオーバールックってこんなところ
ワーウィープオーバールックはアリゾナ州からユタ州にかけて広がる巨大人造湖レイクパウエルの姿を広角に眺められる素晴らしいビューポイントです。アンテロープキャニオンの近くにあり、グランドサークルの中心でもあるのに、まだ訪れる人が多くありません。かつてここはグランドキャニオンと同じくコロラド川に削られた巨大な渓谷でした。その名をグレンキャニオンと言い、美しさではグランドキャニオンをも凌ぐと言われ先住民の遺跡がいくつも残されていました。グレンキャニオンはダムを造ったことにより全てが水没し渓谷は消えてしまいましたが、皮肉なことにその人工の湖は周囲の岩山や大地と緑に輝くコロラド川の水とのコントラストという、おおよそこの地球上の景色とは思えないようなここにしかない画を創り出しました。夕刻の時間帯には太陽に照らされて金色に輝くペイジの町や湖の後ろに鎮座するナバホ族の聖なる山「ナバホマウンテン」、そしてグランドサークルらしい褐色の大地とのコントラストが特に美しく、ここに立って目にする景色は一度見たら忘れることは無いでしょう。ちなみにワーウィープとは、先住民パイユーテ族の言葉で苦い水を現すそうです。硬水のコロラド川につけるニックネームとしてぴったりの言葉です。
レイクパウエルについて
レイクパウエルの満水時のサイズは全長299km、湖畔の1周は3057km、貯水量は約300億トン(琵琶湖は275億トン)で人口湖としてはアメリカで2番目に、世界で3番目に大きい湖です。1963年にグレンキャニオンダムが完成してから保水用のダムとしてそこを流れるコロラド川の貯水が始まり、最初に満水になったのは17年後の1980年でした。ロッキー山脈から太平洋までの2330kmを流れるコロラド川には全部で8つの保水用のダムがあり、その最上流部にあるのがグレンキャニオンダムとその貯水湖のレイクパウエルです。水は主に南カリフォルニアやアリゾナやネバダの住民に利用されていますが、これらのエリアの人口増加により各貯水湖の水が長年の間満水に戻る事がありません。現在のレイクパウエルの貯水量は満水時の約半分の160億トンです。パウエル湖の名前は南北戦争時代を生きたジョン・ウェズリー・パウエル大佐から名付けられました。彼は1869年と1872年の2回にわたりコロラド川を下ってグランドキャニオンを走破することに成功した地質学者です。またレイクパウエルは共にコロラド川の浸食でできたグランドキャニオンとキャニオンランズの中間にあるグレンキャニオンの大渓谷をダムによってせき止めて作られた人工湖であり、近年に出来上がった湖であることから、もともと緑の少ない岩の渓谷に巨大な湖の景色が広がるおおよそ地球上とは思えない景観が多くのSF映画のロケ地としても使われました。最も有名なものは1968年公開の『サルの惑星』です。その後1994年の『マーベリック(メル・ギブソン主演)』や2013年の『グラビティ(サンドラ・ブロックス主演)』などにも登場します。
ペイジについて
アンテロープキャニオンやホースシューベンド、そしてレイクパウエル観光のゲートタウンとして栄えている『ペイジ』はアリゾナ州の北部にある小さな町です。1957年に近くのグレンキャニオンダムの建設に従事する労働者の生活の場として国が用意したことで町ができました。ダムの完成後もコロラド川をまたぐ鉄橋やハイウェイの建設により多くの人が主に観光でこの町を訪れるようになり、現在約7500人の人口の多くは観光やサービス業に従事しています。町のすぐ南隣には先住民のナバホ族の居住区があることからペイジにはナバホ族も多く住んでいます。地名はかつてのアメリカ内務省の開拓局長官でダムの建設にも関わりが深かったジョン・ペイジ氏の名前に由来します。